20世紀の二大傑作タロットであるライダー・タロットとトート・タロット。 私、趣里衣が毎日魅了されているトート・タロットについて、簡単にお伝え致します。
1.トートタロットは誰が作ったの?
オカルティストのアレイスター・クロウリー(Aleister Crowley)が考案し、芸術家のフリーダ・ハリスが描きました。
2.クロウリーとハリスってどんな人?
クロウリーは、1875年、イングランド中部のウォリックシャーで生まれました。お父さんは、熱心なキリスト教徒でしたが、彼は、キリスト教寄宿舎学校に入学後、疑問が湧き出て、オカルティズムに熱心になっていきました。
ケンブリッジ大学卒業間近に『黄金の夜明け団』(黄金の夜明け団については、後で解説します)に入ってからは、神秘主義思想に傾倒していきました。
『黄金の夜明け団』脱退後、アジア諸国(日本にも来ました)を訪れ、ヨーガを学びました。
世界中を訪れながら、オカルトや神秘主義に関する多くの著書を出版し、『銀の星』などの神秘主義結社を創設しました。
この結社では、魔術を行いましたが、呪いやおまじないというものとは全く無縁で、宇宙の真理を知りたい、芸術的な可能性を引出したい、ということが目標でした。
このような奇抜で奔放な研究活動から、クロウリーは、当時のマスメディアから『世界で最も邪悪な男』と言われました。
そんな中、1937年、フリーダ・ハリスと出会います。フリーダ・ハリスはトートタロットのアーティストとして最も有名です。
彼女は、1878年にロンドンで生まれました。政治家と結婚し、敬虔なクリスチャンとして二人の子供を教育しながら、彼女は芸術家として膨大な作品を描いていきました。彼女は貴族として自分の作品が評価されるのを嫌い、偽名を使って個展を開いていましたが、トートタロットへの協力も、自ら匿名で関わることをクローリーに申し出ました。
ハリスはクローリーに彼のもつオカルト、魔術的要素、スピリチャルや科学的見地を、カードのデザインに取り入れるように促しました。ロンドンのクロウリーの友人宅で、トートタロットの編纂が開始されました。実際には何と5年という歳月をかけて、高い評価をうける、トートタロットデッキを完成させました。
3.トートタロットと伝統的なタロットカードでは、どんな違いがありますか?
『黄金の夜明け団』の教えに基づいて作られているウエイト版タロットカードとトートタロット。
トートタロットには、クロウリーの40年がぎっしり上乗せされています。オカルト、占い、魔術儀式、カバラ、神秘主義思想
などなど。。。
まず、大アルカナ(アテュ)の呼び方や意味が違います。比較してみます。マルセイユ版と比較してみましょう。
マルセイユ版タロットデッキ
トートタロット
8『正義』Justice
『調整』Adjustment
10『運命の輪』Wheel of fortune
『運命』Fortune
11『力』strength
『欲望」Lust
14『節制』Temperance
『技』Art
20『審判』Judgement
『永劫』The Aeon
21『世界』The World
『宇宙』The Universe
次は、小アルカナです。4つのスートごとに4人の人物が登場します。
マルセイユ版の『小姓』Page がトートでは『王女』 Princess
『騎士』Knightが『王子』 Prince、
『女王』Queenは『女王』 Queen
『王』Kingは『騎士』 Knight
となっています。
4.『トートの書』って、何ですか?
1944年3月21日にアイレスター・クロウリーとフリーダ・ハリスが作成した『トートの書』が発行されました。トートタロットに関する理論や絵柄の意味、使用法が書かれたものでした。また、実際にトートタロットがカードデッキとして登場したのは、クロウリーの死後から22年後、1969年でした。
○黄金の夜明け団とは?
1888年3月1日、ウエストコット博士とその仲間たちが、ロンドンで設立しました。長くは続きませんでしたが、現代の占いやオカルトに与えた影響は大きく、今の英語圏で用いられているトロットの基本的な教義や意味は、この団体から出てきています。
それでは、デッキの意味を紹介していきましょう。