原始仏典とは、お釈迦様の教えに最も近いと考えられている経典群のことです。その中にこんな言葉があります。
「安らぎがそばにあるのに、なぜ不満なことばかり考えているのでしょう。どこにも敵なんていないのに、なぜあなたは多くの敵を連れてくるのでしょう。」私はこの言葉を読むたびに、怒りについて考えます。
「あの時あんなことを言われた」
「あんなにしてあげたのに」
「感謝もされなかった」
占いに来られるお客様も、私自身も、たくさんの怒りの記憶を抱えています。でも、その出来事は今この瞬間に起きているわけではありません。私たちは記憶を思い出し、そのたびに怒りを再生しています。もちろん傷ついた事実は消えません。けれど、その怒りを握り続ける限り、人生は過去に縛られたままです。では、どう手放せばいいのでしょう。
一つ目は、今に集中することです。歩くことでも、好きなことに没頭することでも構いません。今に意識が向くと、過去の怒りは少し静かになります。
二つ目は、自分の心を見ることです。怒りは永遠には続きません。
「今の心に怒りはあるかな」そう問いかけるだけでも、心との距離が生まれます。
三つ目は、忘れ上手になることです。苦しかった出来事を毎日思い出す必要はありません。限りある人生を、怒りだけに使うのはもったいないと思うのです。いじめや人間関係の相談を受ける時、私は三つの選択肢をお伝えします。
伝える。距離を取る。そして、自分の幸せに意識を向ける。
先生に相談しても解決しないこともあります。むしろ悪化する場合もあります。生命や心が傷つくなら、逃げてもいいのです。怒りや恐れのエネルギーの奪い合いからは、何も生まれません。原始仏典には、
「心の妨げを克服した時、人は牢獄から解放されたような自由を感じる」とあります。
過去は変えられません。でも、今の自分の在り方は変えられます。感謝や希望、夢に意識を向けること。そして何より、ここまで生きてきた自分を信じること。その積み重ねが、怒りを手放し、自分らしい人生を歩む力になるのだと思います。過去の怒りを手放し、潜在意識を書き換えたい方は→【寝る前に聴く音声シリーズ】