私の実家はお寺でした。
中学校は、母が勤務していた私立中学校に3年間通いました。
塾に行く余裕はなく、参考書で勉強して、わからない問題は小学校の先生に聞いていました。補欠合格で入学した当時の成績は、たぶん最下位に近かったと思います。
これは結構ショックでした。
ど田舎の小学校では、一応リーダー的な存在で、勉強もできるほうだったので、「自分よりすごい人はいくらでもいるんだな」ということを、そこで初めて身に沁みて知りました。
理数系は特に苦手で、周りの子たちが異次元の人に見えました。
今なら時代も違うので問題になるのでしょうけれど、当時は見た目のこともよく言われました。
「お前の母ちゃんもお前もブス、お前はその上バカ」
そんな言葉を投げられることもありました。
私はどんどん自信をなくしていきました。
でも、その頃に出会ったのがビートルズでした。
母がアルバムを買ってきてくれて、安いレコードプレーヤーで何度も聴いていました。あの音楽を聴いている時だけは、自分が別の世界に行けるような気がしたんです。
そこから英語が好きになって、近所へ習いにも行きました。
読書感想文で県の賞をいただき、全校集会で表彰されたこともあります。
女友だちとピンクレディを踊ったり、初恋の人にバレンタインのチョコを渡したり、今思えば楽しい思い出もちゃんとありました。
ただ、友だちの家はどこも綺麗で、私の家とは全然違って見えました。仲良くしてもらっていたのに、私は勝手に引け目を感じて、自尊心をどんどん失っていった気がします。
「私の環境では無理なんだ」
「私の頭では限界があるんだ」
そんなふうに思うようになり、勉強もしだいにしなくなっていきました。
それでも奇跡みたいに、私は県内でも有数の進学校へ進むことになります。
次回に続きます。
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