私は花が大好きです。その原点は、母かもしれません。
私の実家は檀家の少ない小さな寺でした。決して裕福ではありませんでしたが、母は境内や中庭に季節ごとの花を植え続けていました。
春には春の花。
夏には夏の花。
小さな可憐な花もあれば、大輪の花もありました。水やり、草引き、消毒。花を育てるのは思った以上に手間がかかります。私も住職として寺を守っていた頃は、その作業を引き継ぎました。大変でしたが、不思議と花に元気をもらっていました。どんなに疲れていても、花は黙って咲いています。
その姿に何度も励まされた気がします。実は私には一つの夢がありました。花があふれる寺を作ること。そして障害のある息子や、協力してくださる方々と一緒に、誰もがほっとできる癒やしの場所を作ることです。今は寺を離れました。あの花たちはどうなったのかな、と時々思います。そんな時、先日テレビで私の夢をそのまま形にしたような場所を見ました。
病院に併設された見事なバラ園でした。色とりどりのバラが咲き誇り、その香りに包まれながら車椅子の方々が散歩をしていました。
「こんなバラを見ていたら病気なんかしていられない」
そう笑顔で話す方の姿が映りました。さらに園内ではプロのシェフが料理を提供し、人々が花を眺めながら食事を楽しんでいました。
私は思わず見入ってしまいました。
「これやったんや。私が作りたかった世界は」
同時に、いつもの癖も出てきました。
「なんで私にはできなかったんやろ」
「いいなぁ」
「羨ましいなぁ」
気づけば不足ばかり数え始めていました。でも、その瞬間に思ったのです。怒っていたら、怒りたくなる現実を探し続ける。不足ばかり見ていたら、不足を感じる出来事ばかり増えていく。それなら、もう少し違うことをしてみよう。
外側を無理に動かそうとするのを一旦やめて、自分の内側を整えてみよう。楽しい未来を先に感じる練習をしてみよう。そう思って、スマホの待ち受けをバラ園の写真に変えました。
「うわぁ、いい香り」
そんな気分を先に味わう練習です。夢は形を変えることがあります。
でも、本当に大切な願いは消えないのかもしれません。
さて、あなたは今日、どんな感覚を先取りしますか。
未来の幸せを、ほんの少しだけ先に感じてみませんか。
「内側を整えたい方は→【寝る前に聴く音声シリーズ①】
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